【米不足】今再注目したい「くず米」について

現在報道番組などで「米不足」に関するトピックが取り上げられています。

 

報道によると「米が不足しているように見えるのは一時的な現象なので、特に心配することはない」と結論付けられていますが、スーパーの棚から米の姿が消えてしまった様子を見ると、不安感がぬぐえない方も多いのではないでしょうか?

日本が米不足に陥ったのは、今年だけではありません。

 

過去にも日本は「平成の米騒動」(1993年)を経験しています。

 

 平成の米騒動

 

平成の米騒動の原因は、1991年6月15日に起きたピナトゥボ火山の大爆発の影響や、日本の夏に冷夏をもたらした「エルニーニョ現象」。

 

さらに当時、日本国内で多く作られていた「ササニシキ」が、寒さに弱い品種であったことなどが複合的に影響を及ぼしたとされています。

 

その後日本では再度冷害に遭っても米不足に陥らないよう、寒冷地でも育つ米の品種「ひとめぼれ」「ななつぼし」などの品種を開発。

 

その対策の結果、かつては温暖な地域で作られていた米が、今では北海道でさかんに作られるようになっています。

 令和の米騒動。報道のまとめ

報道では

・お盆辺りから販売店の米の在庫数が減少した。

・去年から続く猛暑の影響で、米の品質が低下し収穫量が減少した。

・人口減少を受け、政府が米の生産をコントロールしているのも原因。

・米の在庫はちゃんとあるから心配ない。(農林水産省)

・あと数週間で、新米が流通すれば米不足は解消される。

 

と言っていますが、いまだスーパーで「お1家族様1袋限定」と数量制限がかかったり、そもそも価格が高騰していたりと、不安が煽られる状況が続いています。

 

「米の在庫はちゃんとある」と言われても、スーパーに並んでいないのであれば、私たち一般消費者からすれば、ないのと同じことです。

 

私たちが「今、お米を買える場所」は、どこにあるのでしょう?

 

 米の作況指数って?

 

ここで、お米の「作況指数」についての説明をさせて頂きます。

毎年収穫されるお米は「作況指数」というもので評価されています。

 

作況指数とは、10アール(1反)当たりの平年収量(平年値)を100として、その年の収量を表す指数です。

 

農林水産省の発表によると、2023年度の作況指数は「101」でした。

 

作況指数の見方は、

 

  • :106以上
  • やや良:102~105
  • 平年並み:99~101
  • やや不良:95~98
  • 不良:91~94
  • 著しい不良:90以下
とされているので、「101」=やや良い 評価に当たります。
そして2024年の作況指数も「101」になる見込みらしいので、確かに指数だけを見ると、そんなに量が少ない訳でもなさそうですね。
 
しかし、この指数に「カウントされていないお米」が存在するのです。
 
それはズバリ、「品質の悪い米」。
 
猛暑の影響で品質が落ちたり、あと、精米中に砕けてしまったり、粒が小さすぎて選別機からはじかれてしまった米(くず米)に関しては、正規の販売レートから外され、私たちがスーパーで見ることはありません。
 
それらの米は、どこに行ってしまうのでしょう?

 

くず米を買える場所は?

くず米は、通常であれば家畜のえさとして「再利用」されています。

 

しかし、ただ欠けたり粒が小さいだけですので、通常のお米と比べても味はほとんど変わらないと言われています。

 

これは、曲がったきゅうりなど、形の悪い野菜がスーパーマーケットに並ばない理由とほぼ同じなんですね。

 

形状など見た目にこだわらなければ、十分においしく食べられる食べ物って、実はたくさんあるんです。

 

ちなみにこのくず米、

メルカリで販売されています。


 

売り切れの表示は見当たらないので、豊富に在庫があるのでしょう。

 

普段、お米が豊富にある時は気にも留めない「くず米」。

 

野菜や果物は、形が悪くても味は同じだから消費しようというムーブメントが起きていますが、お米に関しては「くず米」の存在を知る人はまだ少ないのが現状です。

 

食べ物を大切にする意味でも、今後「くず米」の価値が再評価されたら良いなと感じた今回の米騒動でした。

 

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