大麻の法改正から見る、世界の麻産業について

and you?では、これまで「ヘンプシード」「麻炭パウダー」など、ヘンプ商品を数多くご紹介させて頂いて参りましたが、そもそも日本におけるヘンプの立場とは、現在どうなっているのでしょう?

実は、2023年12月に、日本国内における大麻の医薬品利用が解禁となったばかりなんです。

 

しかもこの法改正は、前回の法制定から実に75年ぶりという、歴史的な動きだったんですね!

 

ドンキホーテなどでもCBD商品が並ぶご時世となった現在、世界のヘンプに関する法律はどうなっているのでしょう?

 

本日は、世界の麻産業にまつわる法律と現状についてまとめてみました。

 

🌟タイ🌟家庭での栽培が可能になり、アジア初の非犯罪国家に

タイでは医療用大麻が2018年に合法化され、食品や化粧品分野での規制緩和が進み、ついに2022年には国が定める麻薬リストから大麻が除外されました。

 

アジア初の大麻非犯罪国になったことは世界的なニュースに。

 

引き続き、娯楽での吸引は違法であるものの、家庭での栽培が可能になったことから、政府から100万株が国民に無料配布されました。

 

市場の成長や景気拡大、観光業の再生を狙う考えからと言われています。

 

今後も申請すると個人栽培が可能に…。

 

 

🌟フィンランド🌟自国の気候に適した新しい品種を開発!

フィンランドは、国としてはヘンプ栽培を禁止したことはないものの、夏は暖かく冬は寒さが厳しいという、フィンランドの特徴的な亜寒帯気候に適した品種がなかったことから、栽培を中断した時期があったそうです。

 

1995年には北部の気候に適した「Finola(フィノーラ)」という新しい品種が開発されたことで、実験的な栽培が再開。フィノーラは、今では多くの国で栽培されるほど人気の品種に成長しているようです。

 

ちなみに、フィンランド語のヘンプは「Hamppu(ハンプゥ)」。

 

 

🌟ドイツ🌟車の材料に使われるなど身近な存在に

ドイツでは、ヘンプ栽培が1982年から禁止されていましたが、10年後となる1992年からリサーチを開始。

 

その中で多くの技術や商品開発が進んだことから、THC成分が0.3%未満の産業用ヘンプの品種に限定する形で、1995年に栽培が解禁に。

 

食品やアパレル、紙製品などの目的でヘンプの原材料が輸入されているそうです。

 

メルセデス・ベンツやBMWの車のドアパネルやダッシュボードには、ヘンプ繊維が採用されているとか。

 

 

🌟イギリス🌟栽培農家には補助金が与えられる

イギリスでは、1993年にドイツと同様にTHC成分が0.3%未満の産業用ヘンプの品種に限定して栽培が解禁になりました。

 

それ以降、紙製品や衣料生地、さらには動物飼育用ベッドなどのマーケットが発展したそうです。

 

解禁当時は、400エーカーほどの土地で栽培が始まりましたが、政府が1エーカーにつき230ポンドの補助金を農家に与える政策を行い、国として栽培を促進している動きがあります。医療用は2018年に合法化されています。

 

 

🌟フランス🌟規制が一度もなくEU最大の栽培面積を保有

古くから紙パルプ用のヘンプを栽培していたフランスは、一度もヘンプを規制していない国として知られています。

 

そのため、国の公的機関のみならず、民間企業もヘンプ産業に参入。

 

その栽培面積は、世界のヘンプの1/4を栽培しているとされるEU諸国全体の半分近くである、14,500ヘクタールをフランスが保有しているほど。

 

また、日本では禁止されているTHC成分の含有量が低い栽培用のヘンプシードは、他国にも提供されているそうです。

 

 

🌟アメリカ🌟規制を作った国が解禁し、ヘンプ産業は活性化

1999年に、ハワイで試験的に合法化し、アメリカ国内でもヘンプ栽培が始まりました。

以降、市場が活性化する中で、2018年にトランプ大統領が産業用ヘンプを麻薬指定から除外したことで、その勢いは加速。

 

ヘンプ栽培禁止の流れを作ったと言われるマリファナ課税法(1937年)を制定したアメリカが合法化したこのニュースは当時、大きな話題を集めました。

 

そして、ヘンプの栽培や加工をはじめ、派生製品の開発や販売もますます活発になっています。

 

 

🌟カナダ🌟農家の多くは有機認証のヘンプを栽培

1990年代にビジネスとしての関心が高まり、1994年頃から4年間かけてヘンプ栽培の研究調査が行われました。

 

その間も、1995年には一定の制約の中で繊維を取るための栽培が行われるようになり、種を取るためのライセンスも取得したと言われています。

 

産業用大麻規制を設けた1998年以降は、栽培も解禁されました。

 

収穫された種のほとんどを食用として利用しており、ヘンプ食品の分野では世界トップクラスと言われるまでに成長しています。

 

 

🌟中国🌟政府や軍もサポート!一大産業となっている

中国では、昔から伝統的な作物として認知されており、1950年代には育種栽培の研究が行われていたと言われています。

 

その後、世界的に栽培禁止の政策が実施されたことによって、生産量は90%以上も減少。2007年からは中国軍関連会社やアパレル企業からの出資があり、最新の紡績工業が新設(2009年)されるなど、今ではヘンプ繊維の生産量が5,000トンとも。

 

政府もヘンプ栽培はオーガニックメソッドを採用していると公約しており、世界最大のヘンプ生地の輸出国となっています。

 

日本の麻産業は今後どうなる…?

日本はもともと1万年以上も前から大麻を栽培しており、伝統的な文化があります。

 

法律ができた後も全面禁止になったことはなく、栽培免許制度を採用して細々と栽培は続けられてきました。

 

日本ではまだ、本格的な産業化の動きが見られないながらも、世界の現状を鑑みれば、今後の産業発展の一役を担ってくれるような気がしてなりません。

 

日本の高い技術を生かし、麻の新たな可能性が日本から世界へ発信される日が来たらいいですね!

 

麻の詳しい情報は、「ヘンプフーズジャパン様」が発信されています。

ぜひインスタグラムをチェックしてみて下さいね。

@hemp_foods_japan

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